roseに口づけを

愛島セシルに愛を捧ぐウェブログ

今日観たYouTube動画

誰かになんか喋りたい時はブログを書けばいいと気付いたので、更新が増えています。


今日は人間椅子の動画をやっと観ましたー。

「これを聞くとぐっすり寝れる!」ってコメントがあったから、
鳥海さんの読み方だと怖くないのかな!?
って気軽に聞いたんだけど
普通にホラーだったわ。

いや眠れなくなるわ。
この話ただでさえ気味悪いのに、人間の声がついて感情が足されたことによりいっそう気味が悪くなって読めました……。

ストーリーを置いといても終わりぎわに鳴るBGMがホラー調で、
金属音みたいな高い音がするから耳鳴りっぽい。
眠れない夜に耳鳴りが気になってしまう人には不向きです。
おまけにそのBGMは終わり際に音が大きくなるので、
不安感からくる不眠に悩む人が寝る前に聴くのは推奨しません。

眠くなった人は、コメントから察するに、国語の授業みたいな気分で聞いたんだろうと思います。
午後の授業で国語の鳥海先生がテキストを読んでるわ〜みたいな夢気分だと楽しく寝られるってことだと思いました。


以下お話のネタバレ含む動画の感想

さっきBGMについて触れたけど、
途中からBGMがホラー調になるんですけど、
オチの部分もホラーのまま終わったのがなんか違うと思ってしまいました。
最後にBGMの音量上げてくるのも、怖がらせようっていう圧がすごい……と思ってしまいました。

オチをどう読もうと、この手紙を書いたキャラクターが悪趣味なことに変わりはないと思うので、
演出で余計な味をつけずに声だけ聞かせた方が怖くなったんじゃないかなとも思いました。

私は先に新潮文庫版の「人間椅子」を読んでから動画を観たのですが、
最後のページを読んだ時には不思議な安堵感により読後の数秒ぼんやりしてしまいました。
面白いけど、送り主の意図がはっきり分からない感じがして、疑わしい感じです。

「ある理由により原稿は先に送りました」っていうのは、
「時間差で種明かしする方が面白いから」って意味だと私は思ったんですけど、
そうじゃない意味にもとれるらしいです。
敢えて読者が想像する余白を残すことで、
怖い余韻がある話にしているのかなと思いました。


この動画では、この最後の部分の余韻がBGMでぶった斬られた感じになったので、ちょっと微妙に思いました。
コメント欄にこんな感想書くとうざいだろうなと思ったのでYouTubeには書きませんが、
人間椅子」の動画に関していうとBGMの演出が過剰に思えました。

最初に思いついた感想はこうなっちゃったけど、
良かった部分ももっと感想があるので、YouTubeのコメント欄にはそっちを投稿しようと思います。



YouTubeに感想コメント書く時に省いた部分

大した感想じゃないから消すか悩んだけど、
もったいない気もするのでついでに貼ります。


この話は想像の余地が残っているところが怖いんだろうなと思いました。

私は手紙の内容は創作だと思って読んだので、
ずいぶん悪趣味な悪戯をする男の話だなと思って終わりました。
創作だと思った理由は、書斎の椅子が手紙に書かれた椅子と確実に同じ物だという証拠を確認できなかったからです。

でも他の人の感想を見て、
「手紙を読んだ佳子の反応が悪かったため急いで二通目を書いた」という、
手紙の内容を事実と受け取る読み方もできることを知りました。

私は同じ椅子である証拠が足りないことに安心していたので、違う椅子である証拠も足りていないことに気が付きませんでした。
どっちにも読めるところが怖いと思いました。

読者が安心できないよう逃げ道を潰すこともできるのに、
敢えて余白を残して上手くいっているのがすごいと思ったし、
その余白があるせいで余計に怖い話になっていることがすごいと思いました。
読み手の想像力によって手紙の男(あるいは作者)への疑念が生じることで、
書いてある文よりも怖い話が読者の頭の中で完成するんだなと思いました。