roseに口づけを

愛島セシルに愛を捧ぐウェブログ

ラーゼフォン劇場版を観た

観たよ!ついに観たよ!っていうのを誰かに言いたかっただけの日記。

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テレビ版でよく分からなかった設定の説明がコンパクトに済まされててわかりやすかったです。
登場人物の削減、キャラクター設定の変更などもあって、話がスッキリまとまっている感じです。*1

ラーゼフォンのストーリーの中にあった、綾人と遙のラブストーリーが浮き彫りになって見やすくなったような感じ。

映画の方がストーリーの全体像は分かりやすくて良かったけど、話の終わり方はテレビ版の方が綺麗で好きです。
テレビ版の寝起きの低血圧・寝ぼけ眼みたいなテンションが続いて謎が謎すぎて謎なところとか、
エンディングを迎えると目が覚めたようにスッキリし、ラストシーンでずっと見たかった記憶の映像が見られた…みたいなところが良かった。

ただ、綾人が美嶋遙の名前を覚えていたために遙は美嶋だ!ってはっきり思い出していて、思い出した上で遙を好きだっていうのが分かりやすかったところは劇場版の方が好き。
テレビ版は現実逃避で「思い出せないけど今の遙さんが好き」って言ってたように見えたし、「美嶋遙」の名前すら朧げだったように見えました。*2
(テレビ版で綾人はイシュトリを見て「美嶋玲香」と言ったけれど、イシュトリは綾人のいない場面では「遙」と名乗っていたことから、
イシュトリは自分の姿が美嶋遙だと知っていたのに、綾人の意識をそのまま写していたのかな?と思いました。)

それに、劇場版では「2人で一緒に大人になりたかった」っていう共通の願いがあって、
テレビ版よりも2人が同じ方向を向いている感じがしたのがよかったです。

テレビ版は綾人が遙との記憶を取り戻す、
少年がアイデンティティを確立して大人になる話っていうふうに感じましたが、
劇場版は遙が綾人に会いに行く話で、女の子が主人公のラブストーリーだと思いました。

劇場版は遙が主役のような気がします。
途中で鏡の国のアリスを引用しているのも、アリスが女の主人公だから遙が感情移入して読みやすい話という意味で、遙に関連付けて使ったのかなと思いました。

ブルーフレンドの回だけ映像が長かったのは、
綾人にとって大事なきっかけになる話だったからというのもあると思うけど、
劇場版では、メイン2人に関わる三角関係にあった女の子が失恋したシーンにも見えました。
女の子が死んだせいで主人公が傷ついた結果、メイン2人の距離が縮まるきっかけになった…みたいな効果が出ていたように感じました。
ロボットアニメ成分はテレビ版よりもっと薄くなっています。



あと気になったところは、久遠の関係の設定変更があって意味がわからなくなったことです。
テレビ版と違って、綾人と樹が双子の兄弟で2人の遺伝子上の母親が久遠という説明が出てこなかったです。*3
テレビ版だと樹が妹のように扱っていた久遠は実は母であり、
「兄のように愛されたかった」という樹の子供心を知って、
久遠が母性愛に目覚めたような感じだったけど、
映画の2人は恋人同士になっていました。
どういうこっちゃ。
パラレルワールドなのかな?

それから、久遠のイシュトリがなんで綾人の姿なのかはテレビ版でも劇場版でも共通して分からなかったです。
イシュトリが「奏者がヨロテオトルに至るとき傍にいてくれる存在」という設定が劇場版にもあったのか不明でした。*4

テレビ版とは意味合いが違う可能性もあるのかな。
劇場版のイシュトリにも、奏者をゼフォンに導く役目や、ヨロテオトルに至るときの同行者である役目があったかどうかが、よく分からなかったです。
ただ、ゼフォンの魂というのはそのままある設定のようでした。

(久遠のイシュトリが綾人の姿なのは)単純にストーリー上の都合で、
イシュトリ2人を遥と対面させる時に綾人と遙の姿にしたかったからなのかもしれない?

なんだ〜。
どこまでいっても相思相愛かよ〜。


色々分からないところはあるけど面白かったし、遥さんが幸せになってよかったです。
冒頭の中学生パートがめっちゃ可愛かった……。
そのせいか、テレビ版と違って他のヒロインのことは考えずに観て、遥さんだけを応援して観ました。

遥が綾人のことを好きだとわかる場面を追加して、2人の恋愛描写を補うことで、
ラーゼフォンの正ヒロインが遥であることを確定させるために観る映画なのかもしれません。

*1:消えた登場人物について印象的だったのは、フタガミさんがいなくなってて、クヌギ司令がフタガミさんの役目を貰っていたことです。テレビ版でフタガミさんが一番かっこよかったシーンが、クヌギ司令のシーンに変わっていました。でも私はテレビ版のクヌギさんのストーリーが好きだから、クヌギさんの設定はテレビ版の方が好きかな。第十楽章『追憶のソナタ』がとても印象に残っています。

*2:でもイシュトリを「美嶋玲香」と認識するっていう演出自体は好きだし、「僕が絵を見せたかったのは君じゃない!」の場面も好きだし、美嶋って誰なんだ!って疑いながら見るストーリー自体は好きだった。

*3:ムーリアンの麻弥が人間の男と愛し合ってできた実の子供が綾人という話になっていたので、麻弥が綾人を産んだことしか分からず、樹については特に触れられなかった。

*4:劇場版は「久遠の悲願には綾人の力が必要だから綾人を待っていた→久遠を目覚めさせる王子様はムーリアン化した綾人 」という話だったので、イシュトリが久遠を迎えに来る場面がなかった。