roseに口づけを

愛島セシルに愛を捧ぐウェブログ

クレームとご意見の違いが難しいと思った話

先日、花梨エンターテイメントのプロデューサーさんがユーザーに対して失言したという話題を見ました。
BLゲームとコラボしたら面白そうなのでは?」という雑談の途中で、
プロデューサーが「(乙女ゲーム作品を)BL作品と混ぜると怒る人がいる」と言った後に
「そういうユーザーは一部だが声がでかくて危険」
と言ったことが問題になったようです。
この生放送は宣伝時に乙女ゲームを名乗っていたゲームの番組だったので、BLが苦手な乙女ゲームユーザーも視聴していました。

問題になった放送*1の問題の場面だけ観てみましたが、個人的には言葉の選び方と言い方が悪いと思いました。
途中まではただの雑談だからとスルーされるような話でしたが、後半の三言が余計だったと思います。*2

それによって、乙女ゲーム製作者の中には
「BLが苦手な乙女ゲームユーザーの中にはクレーマーがいる」
みたいに思っている人がいるんだなと思いました。


私が日記に書いていた愚痴は個人的な不満によるものでしたが、
花梨エンターテイメントにクレーマーと言われてしまったような人達は、私とは少し事情が違ったようです。


調べてみたところ、
乙女ゲームとして販売された商品の中で「男性キャラクターが女装し男性キャラクターに褒められて照れる」描写に対して、
「これを乙女ゲームとして売るのは違うんじゃないか」という意見をメールした人がいた可能性があり、それをクレーム扱いされたのではないか?
と花梨の乙女ゲームブランドのファンの人が言っていました。


「女装ネタをやりすぎないでほしい」という意見は、「BLゲームと乙女ゲームを混ぜないでほしい」という話とは一見関係ないように思えます。
しかし、
「やりすぎな女装ネタ」は、乙女ゲームが「BLゲームみたい」だとしてマイナス評価される要素の一つであり、
乙女ゲームの本来のターゲットではないBL愛好家が喜ぶネタの一つでもあるのです。

乙女ゲームにおける女装ギャグは、
「この攻略対象キャラは女の子より可愛い!」という話の展開になりやすく、
それによって男キャラクターが女性扱いされて満更でもない反応をするようになった場合、
キャラが本来持っている男性らしさを失くす描写になりやすいです。

もっと発展すると、
「攻略対象の男キャラクターが女装したキャラクターに恋をする」や、
「女装した男キャラクターがBLの受けのように女性化する」といった話になることもあります。

BLゲームでやればいいBL話を、乙女ゲーム内でギャグとして取り入れてしまうのです。
乙女ゲームで女装ギャグを見たくないと思う人が一番危惧しているのは、恐らくこの「男性キャラクターの女性化」だと思います。

また、その女装ネタを理由にBL二次創作や女体化二次創作をされたり、
女性キャラを「女装キャラよりブス」と叩く行為に繋がりやすいという問題点もあります。

乙女ゲームにおける女装ギャグ」は、
ファンの間での揉め事の原因になりやすいほどに、人を選ぶギャグなのです。

それゆえ、BLが苦手な乙女ゲーマーの中には女装ネタが苦手な人が多いです。

うたプリも女装ネタや女装キャラが登場しますが、これらはBLが苦手な人にうたプリが嫌われる理由の一つでありました。

乙女ゲームにおける女装ネタは、
諍いの原因となるほど人を選ぶネタであり、現実の男性が女装することとは全く違う問題を孕んでいるのです。


花梨エンターテイメントにご意見を送ったユーザーさんは、このクレームを送るかどうか悩んだと思います。
好きなメーカーの好きなゲームにご意見を送る訳ですから、できれば迷惑をかけたくないと思っただろうし、本当はいい感想だけを伝えたかったはずです。
なので、きっと葛藤しながらも、なるべく丁寧な言葉を選んでメールを書いたことでしょう。
もしかしたら、丁寧にしようとして長文になってしまったかもしれません。
長文になると「読むのがめんどくせえ」と思われやすくなるので、受け取る側が好意的でなくなることがあります。
だから危険なクレーマー扱いされてしまったのかな?
と妄想してしまいました。

でもそのメールはブランドが嫌いだから送ったものではなく、好きだから送ったもののはずです。
嫌いな人が嫌いなものに対して何か書くなら、
クソゲーメーカー早く潰れろ」みたいな感じの、直球の悪口をSNSに書いたり、
「こんなもの作る奴は馬鹿に決まってる」みたいな、偏見に満ちた悪口をネット掲示板に書くと思います。
メーカーと自分の一対一の話にしないで、
匿名の場所で仲間と一緒に叩くと思います。
匿名でなくとも、住所やメールアドレスなどの個人の特定に繋がる情報をメーカー側に知られないようにするはずです。
なので、メッセージを送るような人はアンチファンではなかったはずです。

それなのにクレーマー扱いされちゃうんだ……と思ってガッカリした出来事でした。
たとえ喧嘩腰でなくても、消費者として意見を送っただけでクレーマーになっちゃうことがあるんだなと思いました。

だけど乙女ゲームにおける女装ギャグやBLっぽい描写に対して、誰も何も言わなければ、
おかしなところを変だと思うユーザーは1人もいないことになって終わってしまいます。
逆に「好評だから増やそう」ということになってしまうかもしれません。


私は花梨エンターテイメントの件を知った時、どうするのが正しいのかな?って思ってしまいました。
クレーマーと思われない要望の書き方を身に付けるのがいいのかな?

私も黙っていたくないけど、嫌われるようなクレーマーにはなりたくない……。
他の人みたいに言いたいこと言いたいけど、人に迷惑かけてはいけないのが難しい。
だけど黙っているといない人みたいになります。
そこにいるのにいないものとされる透明人間ユーザーです。
透明人間のままでいるのはやっぱり嫌です。
どうしたらいいんだろう。

*1:問題の動画

*2:言わなきゃいいのにと思った三言:「でも本当に一部なんだよ、危険な人は」「でもその一部はすごい声がでかいんだ マジで」「(その人達は 好きな気持ちが大きいからだ というフォローを否定して)いやなんか、これが許せないっていう気持ちがすごく大きくて」